毒吐

お題「#この1年の変化

この1年の変化など、ない。そもそも、何年もかけて出来上がったこの自分が1年で変わってしまったら、今までの時間は何だったのだと思うだろう。ただ、1つだけ挑戦したことがあると言えば、バイトだろう。私は働くのが怖い。極度に自信がなく、怒られることや叱られることに慣れていない。だからできることなら働きたくない。そんな自分がバイトを始めた理由は「あなたに合う仕事があって」という言葉だった。当然、新しい環境はストレスになり、バイト前には必ずと言っていいほど鬱状態になっていた。初めてズル休みをしたのがこの頃だ。ストレスがかかると、甘いものを口にするようになった。最初は罪悪感が付きまとっていたが、だんだんと夜中にコンビニへ行ってスイーツやアイス、菓子パンを買うことが日課になっていった。そんなことが2~3か月続いた。毎日同じコンビニへ行くと、店員さんを覚えている。相手もきっと覚えているだろうと思いこみ、それが嫌でいろんなコンビニをはしごした。YouTubeの画面のなかには自分と似たような状況の人が何人もいて、少しばかりの希望をもらうと同時に虚しさが入り混じった。そんな状態になっても、自分が疲れていることに気付かなかった。バイトに入り続け、受けた実感のない無機質なオンライン授業を受け続けた。外出自粛に加えて、友人は地元に帰り、定期的に会う友だちもいなくなった。私は部屋の中で腐った。毎日独りで考え、独りで悩み、独りで泣いた。とうとう一日中、独り言が止まらなくなった。しかも誰かと喋っているような独り言。その頃から人の目も気になりだした。みんながこっちを見ていると確信した。そして外に出られなくなった。それでも誰にも助けを求めなかった。求める前に自分が腐ってしまって、助けを求める発想に至らなかった。話を聞いて欲しいけれど、話を聞いてくれるような友だちがどこにいるのか、探しても思い浮かばなかった。苦しかった。そんな時、YouTuberの方が「大学の学生相談室は絶対行った方がいい」と言っていた。前から気になってはいたけれど、勇気がなくて扉を叩けないでいた。ちょうど相談方法が対面ではなく電話に変更されていたため、敷居が低くなったような気がした。電話してみようと決心したが、残念なのは予約制で話したいと思ったときに話せないことである。まあ仕方ないと思いながら週1くらいのペースで電話相談した。しばらくすると相談相手のカウンセラーさんから精神科の受診を勧められた。最初は行くことを渋っていたが、次第に日常生活に支障が出ていることを自覚させられ、遂に受診へ至った。死にたい気持ちや自分なんかいない方がいいという気持ちによくなりますと伝えた。とりあえずの睡眠導入剤をもらって帰った。言い忘れていたが、この頃には悪夢を見たり、入眠が困難になったりしていた。何度か診察を受けると、「発達の凸凹が生きづらさに繋がっているかもしれない」と言われ、人格検査や知能検査を何個か受けつつ、薬の服薬をしていた。薬のおかげで、人がこっちを見ているという妄想が緩まり、以前より寝付けるようになった。甘いものを大量に食べることも少なくなっているのが現状だ。これがこの1年の変化である。何も変わっていないといえば、変わっていないし、変化しすぎと言えば、そうなのかもしれない。とりあえず今は人格検査や知能検査の結果待ちというところで、今後また自分に新たな変化が待ち受けているだろうと思う。そのたびに、こうして文字にして誰かに、自分に、伝えていこうと思う。ありがとう。それでは。